入り口と出口は違う

コーチングの勉強会に出席した折、隣の人と名刺交換をしました。その方は弁護士でした。

私が「弁護士さんがなぜコーチングの勉強をされるのですか」と聞くと、「私は法律のことであれば、完璧に答えられます。でも相談に来られる方は、法律上の相談というのは表面的で、実は自分の気持ちに整理を付けるために訪れる方が多い、ということに気づいたのです。

例えば、遺産相続でも法律に則って処理すれば弁護士としての役割は終わるのですが、相談者はそのようなことを求めているのではないのです。生前、故人との関りや交わした約束など、ご自身の中にある故人への思いと法律上の相続処理とが結びつかず、気持ちの整理ができないのです。

弁護士として、相談者の気持ちに寄り添い、その気持ちを十分汲み取ることをしなければ、真の解決にはつながらないと思いコーチングの勉強をしているのです」と言われました。

感動しました。診断士も全く同じです。いくら良い提案やコンサルティングでも、クライアントの気持ちに沿わないものであれば、空理空論となるだけです。世の中、そのようなコンサルティングがいかに多いことか。そのためには診断士のみならず「士業」の方々には、相手の気持ちを汲み取るコーチングのアプローチが必要なのです。